昨日、三軒茶屋のうどん屋でのこと。
レジでお会計をする時に、うどんを運んでくれた女の子が応対してくれたのだが、 私が着ていた着物をみて、素敵ですね、ご自分のですか?と言ってくれた。 深緑色の、少し変わった普段使いの模様の縮緬の着物は、 家の隣の方から、年末前にいただいたばかりで、せっかくだから正月にでもと、 自前で持っていた、白菜柄の、これも縮緬のやわらかな帯を合わせて着てみたのだった。 その女の子は、9日に成人式で着物を着るのだという。 締め付けられるので…と、着物は好きなのにかわいそうな話だった。 まあ・・・ね、成人式の振り袖は、成人になったお披露目なわけでさ、 それで何をするっていうものではないから、しょうがないんだって。。。 ホントはね、着物って、すっごく楽なんだよ。食べるのも、走ることだってできるんだから。 と、帯の上を空けてみせる。野球ボールの一個くらい、平気で入るくらいにゆとりができる。 着物好きなら…北沢とかね、古着屋さんでみつくろえば、一万円くらいで一揃えできたりするんだよ、と話す。へえ~っと言った女の子の目が輝いていた。 着るのも、慣れたら二十分もあれば着れるし、自分で着るから、苦しくなったりなんてしない。 着物は子供の時から好きだった。 自分で着られたらいいな~と思っていた。 お正月に着せてもらった、ウールのアンサンブルの着物が大好きだった。 成人式の時に着た、黒の古典柄の振り袖は、袖を落とさずに、 今でも大切にとってある。 20代の頃に、着付けを習った。そんなに大変ではないな…と思った。 母からお下がりをもらって、時折着てみた。夏の浴衣を母が作ってくれた。 夏には浴衣を着るようになった。 演劇で、和ものをやるようになった。 本式の着物姿は、ほとんど出てこないものの、和風な衣裳を創るようになった。 自分で仕立てることもやってみた。時間とお金があれば創りたい。。。 30過ぎてから、母のお下がりの着物等をごっそりともらった。 40になったら、毎日着物で仕事をしよう・・・と考えた。 それは、現実的ではなかったが、このところ、機会があって着ることがある。 どこかのグラビアや映画に出てくる女優さんのような、美しい着物姿は期待しない。 高島礼子さんなどは、ホントに着物が身につく方で、うらやましいけれど。 私は着物を着ると、なんだか嬉しくなってしまうのだ。 なんだかホッとするのである。ゆったりした気持を着物が運んできてくれるような気もする。 それで、そこいらを歩いて回って楽しむ。 そんな私を見かけた誰かが、あの人でも着ているのだから…私も…、 とでも思ってもらえたらいいな~と思う。 ホントに、私でも着ることができるものなんだもん。 なにしろ、昭和のある時期までは、多くの女の人が、毎日着物だったのだから。 それで、家事をこなし、仕事をし、映画にでかけ、デートもショッピングもした。 着物がそんなに窮屈なわけがない。 せっかくの世界に誇れる装束なのだから、着ないなんてもったいない。 夏の浴衣があるだけで、夏が少し豊かになる。 お正月のご挨拶や、初詣が、ちょっと特別になる。
by yui-aoyama
| 2007-01-08 01:09
| 衣裳
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